持ち家は「資産」か? 「負債」か?
持ち家は「資産」か?「負債」か?
長年議論される問いの一つです。
ロバートキヨサキ著のベストセラーとなった書籍「金持ち父さん貧乏父さん」では、
『負債である』と位置づけられています。
その理由として、
1)持ち家をもつことで固定費が増える。(住宅ローン・固定資産税・修繕費)
2)住宅ローンを組むことでローンを支払う為に働く必要がある。
3)住宅は住んだ途端に資産価値が下がる。

よって、『持ち家=負債』という図式で説明されています。
金銭面での合理性で考えると、この説明も納得できます。
しかし、もう一方の考え方もできます。
私自身、両親が約30年前に建てた木造戸建て住宅に暮らしています。
「私、妻、母」 の3人暮らしです。
固定資産税の他、約30年の経年劣化から
「外壁・屋根の修繕 = 約250万円」
「水回り設備の改修 = 約150万円」
「防水改修 = 約10万円」
の修繕費がかかります。
また、断熱仕様も今と比べ弱い為、光熱費も最近の住宅より1.5~2倍ほどかかります。
確かに金銭面で見ると、持ち家は支出の源です。
しかし、賃貸住宅に暮らしていた時よりも ” 自分達の住処 ” という精神的な安心感はあります。
私達の住処を用意してくれた両親には大変感謝しています。
自分の世代では負債となるのかもしれませんが、
「家を建てる」=「愛する人達(妻・子孫)へ安心して暮らせる場所を残す」
と言い換えることができるのかもしれません。
私の考えは後者です。
資産価値は無くなるかもしれませんが、住めなくなるわけではありません。
耐震性・断熱性能・メンテナンス性に配慮した計画であれば、ずっと長く住めます。
なので、私達設計者は、
「 より深く考察し、設計に取り組まなければならない」と、改めて感じた今日この頃です。